Be Mindful

効果と実証

Effects & Evidences

credibility

科学的根拠に基づいた効果

80年代に米国で開始された、MBSRを中心としたマインドフルネスの科学的な研究は、2000年代に入って世界的に気運が高まり、2010年以降に爆発的に急増しました。背景には、脳科学技術の進歩により、fMRIで脳の物理的構造変化(脳の可塑性)が視覚的に検証可能になったことや、米国をはじめ各国政府の研究予算が拡大したことなどがあります。その結果、メンタルヘルスにとどまらず、身体の疾患や仕事のパフォーマンスなど、多岐にわたるマインドフルネスの効果が実証されてきました。2500年前の仏教に端を発する技法は、現代科学で多面的に照射され、新たな意味が見出されています。

研究論文の急増

世界のマインドフルネス関連の研究論文数は飛躍的に増加中。

累計は6,200件超。2019年は前年から約4割アップして1,203件。

マインドフルネス関連の研究論文数

世界最大級のオンライン学術データベース"ISI Web of Science"における、記事のタイトル中に"mindfulness"が用いられた学術雑誌記事の検索結果データより

研究論文の例

学術的なマインドフルネス研究の対象となる方法は、「MBSR(マインドフルネス ストレス低減法)」、あるいはMBSRを一部アレンジした「MBCT(マインドフルネス認知療法)」が大半となっています。その他のマインドフルネス関連プログラムも含めた場合、総称して「マインドフルネス介入(MBI: Mindfulness-Based Interventions)」と呼ばれます。以下、研究事例の一部をご紹介します。

ストレス低下

ストレスで分泌が促進されるコルチゾール(副腎皮質ホルモン)、収縮期血圧、心拍数などが、マインドフルネス介入(MBI)によって減少し、ストレスの生理学的マーカーの減少につながる可能性が、45件の試験に対する豪メルボルン大学精神科などによる系統的レビューとメタ分析で示されています。
MBI

免疫向上

肯定的感情に関連する脳の前部皮質左側が、8週間のマインドフルネス介入(MBI)によって活性化され、インフルエンザワクチン接種による抗体価も大幅に上昇する可能性が、米ウィスコンシン大学心理学部による参加者25人対象のランダム化比較試験で示されています。
MBI

不安、うつの軽減(がん)

がん患者の不安やうつ病に対して、マインドフルネス介入(MBI)は軽減効果がある可能性が、合計1,403人の参加者を対象にした22件の研究に対する、デンマークのオーフス大学のピエト・ジェイコブらによるメタ分析と系統的レビューで示されています。
MBI

不安、うつの軽減(乳がん)

乳がんの女性の不安やうつ病に対して、MBSRとMBCTは他の一般的な治療法より軽減効果が高い可能性が、1,709人の参加者を対象にした10件のランダム化比較試験に対する、独デュースブルク=エッセン大学による系統的レビューとメタ分析で示されています。
MBSR

不安、うつの軽減(躁うつ病)

双極性障害(躁うつ病)患者の抑うつ症状と不安症状の改善に対して、マインドフルネス介入(MBI)には一定の効果がある可能性が、合計274名を対象にした12件の試験に対する、台湾の高雄退役軍人総合病院や英キングス・カレッジ・ロンドンによる系統的レビューおよびメタ分析で示されています。
MBI

職場のメンタルヘルス改善

MBSRによって従業員のバーンアウト(燃え尽き症候群)などに大幅な改善があり、人生の満足感などにも一定の改善がある可能性が、23件の研究に対するオランダのアーネム・ネイメーヘン大学による系統的レビューで示されています。

■ 大幅に改善した面:バーンアウト(燃え尽き症候群)、ストレス、心理的苦痛、うつ病、不安、達成感、自分への思いやり、睡眠の質、リラクゼーションなど

■ 一定の改善がみられた面:人生の満足感、気分、感情コントロール力、自己効力感、仕事へのコミットメントなど
MBSR

メンタルヘルス全般の改善

MBSRは、メンタルヘルス(不安、うつ病、ストレス等)の改善に一般的な治療法をやや上回る効果があり、身体的健康(抗体、心拍数、呼吸機能、脳機能等)や生活の質(QOL)の改善には一般的治療法と同等の効果がある可能性が、米国、欧州、アジア、豪州の合計8,135人の参加者を対象とした101件のランダム化比較試験に対する、ノルウェー公衆衛生研究所などによる系統的レビューおよびメタ分析で示されています。
MBSR

痛み緩和(慢性疼痛)

慢性疼痛患者の痛みがマインドフルネス介入(MBI)によって大幅に緩和される可能性が、合計1,404名の参加者を対象にした16件の試験に対する、イスラエルのネゲヴ・ベン=グリオン大学などによる体系的レビューで示されています。
MBI

痛み緩和(腰痛)

腰痛に対して、MBSRは通常の治療と比較して早期の軽減効果がある可能性が、計864人の腰痛患者を対象とした7件のランダム化比較試験に対する、独デュイスブルクエッセン大学などによる系統的レビューおよびメタ分析で示されています。
MBSR

痛み緩和(線維筋痛症)

線維筋痛症候群(FMS)患者の生活の質(QOL)と痛みについて、MBSRは一定の改善効果がある可能性が、計674人の患者を対象にした6件の試験に対する、独デュースブルク=エッセン大学などによる系統的レビューとメタ分析で示されています。
MBSR

胃腸疾患の改善

世界の7〜10%が罹患しているとされている過敏性腸症候群(IBS)について、マインドフルネス介入(MBI)にはその重症度と生活の質(QOL)に一定の改善効果がある可能性が、7件のランダム化比較試験に対するカナダの研究機関によるメタ分析で示されています。
MBI

皮膚病

乾癬に対して、紫外線療法中に行うMBSRには症状改善の効果を高める可能性が、マサチューセッツ州立大学のジョン・カバット・ジンらによる37人の乾癬患者を対象としたランダム化比較試験によって示されています。
MBSR

がんの進行抑制

前立腺がんについて、MBSRと菜食の組合せは前立腺特異抗原(PSA)の増加を抑え、切除後に再発した前立腺がんの進行を遅らせる効果がある可能性が、カリフォルニア大学サンディエゴ校などによる10名の患者を対象にした研究で示されています。
MBSR

脳卒中の再発防止

脳卒中の再発は5年以内に30〜40%であり、ストレスとの関連が確認されています。マインドフルネス介入(MBI)がストレスを軽減し、脳卒中の再発防止にも効果がある可能性が、計160人の脳卒中経験者を対象にした4つの研究に対する、英グラスゴー・カレドニアン大学による系統的レビューで示されています。
MBI

細胞老化の抑制

細胞の老化は染色体末端にあるテロメアの短縮が一因であり、テロメアの短縮はテロメラーゼ酵素の活性化によって抑制されます。マインドフルネス介入(MBI)によって、テロメラーゼ酵素が活性化される可能性が、合計190人を対象にした4件のランダム化比較試験に対する、豪ニューイングランド大学心理学部によるメタ分析で示されています。
MBI

認知症進行の抑制

軽度認知障害からアルツハイマー病を発症する原因として、ストレスやうつ病などの有害因子が、脳の海馬を損傷させたり、神経変性への移行を誘発させたりすることが挙げられています。マインドフルネス介入(MBI)はそのような有害因子を減少させ、認知症の進行を抑える可能性がカナダのラヴァル大学心理学部などの研究で示されています。
MBI

薬物依存の抑制

薬物依存の再発防止について、マインドフルネス介入(MBI)は、その渇望減少作用により、通常の外来アフターケアの治療と比べて再発率が大幅に低い可能性が、米ワシントン大学心理学部による薬物依存治療後の168人を対象としたランダム化比較試験で示されています。
MBI

禁煙の持続

MBSRによる禁煙持続の効果について、平均26年間毎日20本の喫煙歴がある18名中10名がMBSR終了後6週間禁煙持続を達成した、ウィスコンシン大学医学・公共衛生学部タバコ研究センターによる追跡調査で示されています。
MBSR

摂食障害

過食症と感情的摂食について、マインドフルネス介入(MBI)には改善に効果があることが、14件の研究に対するラッシュ大学医療センターによる系統的レビューで示されています。
MBI

肥満改善

減量について、マインドフルネス介入(MBI)は修了後の追跡調査時に、肥満の人は平均約3kg減少となり、肥満の改善に効果的であることが、計1,160人の肥満の参加者を対象とした19件の研究に対する、カナダのマギル大学による系統的レビューおよびメタ分析で示されています。
MBI

難病患者のQOL向上(MS)

多発性硬化症(MS)は中枢神経(脳、脊髄、視神経)が侵される自己免疫疾患の指定難病で、世界的な発生率は増加しています。MS患者の生活の質(QOL)やメンタルヘルスに対して、マインドフルネス介入(MBI)には改善効果がある可能性が、計183人の参加者を対象にした3つの研究に対する英グラスゴー大学による系統的レビューで示されています。
MBI

難病患者のQOL向上(ALS)

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がやせて力がなくなっていく指定難病です。ALSの197人の被験者を対象にした研究で、マインドフルネスが高い被験者は、4か月後に病気の進行が遅くなり、生活の質(QOL)や心理的幸福にもプラスの効果がある可能性が、イタリアのサクロ・クオーレ・カトリック大学の研究者によって示されています。
MBI